土井雪広の世界で戦うためのロードバイク・トレーニング
トレーニング本というより土井哲学書のような気がします
昨今、自転車ロードレースの世界の第一線で戦う日本人が増えてきました。
現役バリバリの新城幸也選手や別府史之選手が有名ですが、つい先日紹介した本の著者の宮澤崇史選手も現役時代は欧州のトップチームに所属していました。
今回紹介する本の著者の土井雪広選手も2012年まで欧州のトップチームで最強スプリンターをゴールまで安全に連れていく最強アシストとして活躍していた選手です。
アシストとはエースのために走り、自らは順位に絡むことはなく、自分が連れて行ったエースが優勝した時は集団の後ろの方で一人でガッツポーズをしている人たちです。
あまり有名ではないかも知れませんが、外人に混じってプロトン(大集団)の先頭でちゃんとポジションを見つけ、風を受けながら逃げを追うことが多かったので国際映像には結構映っていたと記憶しています。
そんな”使えるアシスト”土井選手が欧州のトップ選手たちとの交流から習得した貴重な経験や、弱かった自分がどのような練習をして強くなったか?をまとめた本です。
世界で戦う人向けのようなタイトルですが、一般の人が読んでも分かる内容なのでご安心ください。
土井選手の言葉を引用すると
『読者の方がどこかのレースで勝ったことを知ったら、僕はレースの時のように、ガッツポーズをするだろう』
こんな気持ちで書いてくれた本です。是非手に取って読んでみてください
この本は他のトレーニング本に比べると極端に図解が少ないのが特徴ですね。
具体的なトレーニング方法が書いていない、という意味ではなく、図が必要な解説をしていないんです。
そういう意味ではロードバイクを始めたばかりの人には用語理解などにちょっとだけ苦労するかも知れませんが、レースを見ていてある程度知識がある人やトレーニング方法を探っている人にはいろいろなトレーニング方法を紹介してくれているし、どの項目も経験的なコメントが書いてるので、他の本にはない面白さが詰まった本だと思います。
全体を通して感じるのは元々は山形のアルペンスキーの選手だった土井選手が体格的な限界を感じ、自転車に転向し、そこでも挫折と成功を繰り返しながら、やがて3大グランツールのブエルタ・エスパーニャで集団の先頭を引き、自分の順位を顧みずエースを優勝に導くアシストという大役を担うようになった経験を通じて、ロードレースやトレーニングに対する向き合い方を教えてくれる”土井哲学”がびっしり詰まった本という感じがしました。
土井選手と言えば、トップカテゴリーで現在活躍している新城、別府選手たちに続く若手日本人選手が育っていないことを憂いていて、昨今の全日本ロード選手権などで、若手が自ら仕掛けずライバルの自滅を待つ戦略をとるシーンを見て、結構辛口のコメントをしています。
私はたんなる無責任なロードレースファンとして彼のコメントに非常に共感するところが多く、そんな土井選手のファンでもあります。
(実は別の本も持っています)
次回作も楽しみです。
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こちらの本はスキー選手だった土井さんが自転車選手になり、世界的なアシストとして活躍中に突然の解雇にいたるまでの自伝的なストーリーです。
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