fizik ANTARES VS k:ium/フィジーク アンタレス バーサス キウム
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前乗りしても痛みが出難い比較的軽量なサドル
久しぶりにサドルを変えてみました。
これまで約4年間使ってきたプロロゴ スクラッチ プロ(幅134mm)からのフィジークのアンタレスvs(幅144mm)への乗り換えです。
最初に自転車についていた GIANT PERFORMANCE LITEからプロロゴに変えたのはズバリ、アルベルト・コンタドール選手が使っているサドルだから。
(皆さん、お気づきだと思いますが、結構カタチから入る派なんです)
パッドの硬さとか重量とかよく分からず、とにかく”prologo”の文字が入ったサドルを付けたかったんです。
当時もwiggleで購入して1万以下だったと思います。
サイズ(幅)は134mmと狭いモデルなので低負荷長時間ライドになるとちょっとお尻が痛くなった(*)のですが、私の用途は富士ヒル以外は1日1時間程度の練習だけなので、気にしなければ特に問題はありませんでした。
(*)高負荷時はペダルへの荷重が増え、サドルへの荷重は相対的に減るのでお尻は痛くなり難いんです。
しかし、なぜサドルを変えたのか?
それは今年でコンタドールが現役を引退するから。ではなくて…
ホントに残念ですね。せめて最後のブエルタでもう一回バキューンポーズ(*)を見せて欲しいものです。
(*)ご存知だと思いますが、最高のブエルタでしたね!我が家ではあのレースは永久保存版に認定致しました
実は今年の富士ヒルが終わってからポジションを変えたんです。
今までよりサドル位置を高く、前に出した結果、サドル形状がしっくりこなくなったからなんです。
これまではどちらかと言うと低く、後ろに引いて大殿筋とハムストリングスを意識しやすいポジションとしていました。
これだと大腿四頭筋が使い難いので最大パワーは出し難くなりますが、レース終盤までパワー(特に大腿四頭筋)を残すことが出来るので1時間を超える富士ヒルクライムには効果的なポジションだと思ってました。
しかし、パワーメーターを導入して臨んだ今年の大会で少し考えが変わりました。
90分狙いならともかくとしてその上を目指すなら最大パワーを発揮し続けるしかない!
そもそも大したパワーを持っている訳ではないのに出し惜しみして結果が出る訳ない、と。
今まではイーブンペースを心掛け、持っているパワーを最後まで無駄なく発揮することを重視してきたのですが、パワーの絶対値が足りないことを認めざるを得なくなりました。
よって今後のトレーニングの方針はイーブンペースで走ることを一度忘れて、
1)まず最大パワーを発揮する。できれば最大パワーの絶対値を上げる。
2)そしてそれを出来だけ長く維持する(つまり燃え尽きるという事)
という方向でやって行こうと思っています。
この結論は言葉が違いますが内容的には昨年五郎さんから聞いたことと同じです。
一年かけてようやく五郎さんのお言葉が理解できた、とも言えます(過去の投稿)
1)についてはパワー重視のポジションにします(今回のサドル変更もその一環)
2)についてが今後のトレーニングのメイン課題になります。
どうやって改善するか?あと10ヶ月でなんとか予定です
(↑ハッキリ言ってNo PLAN、ロードバイクテクニック強化書(過去にこちらで紹介しています)などを再度読んで組み立てるつもりです)
最大パワーを発揮することを最優先で考え、ポジションを見直しました。
で、ポジションについてですが、ローラー台での20分走やヤビツシミュレーション(←LR760でLive trainingを利用しています)などいろいろ試した結果、約4cm程上げ、更にレール一杯まで前に出したところに落ち着きました。
(どんだけ低かったんだ!って言う突っ込みが聞こえてきそうですが、ホントにこのくらい変わりました)
で、この位置だと当たり前なんですがクランク上死点の抜けが良くなるので出力が一段階向上するのは簡単に実感できます。
しかも、意識しなくても脚の全ての筋肉(大腿四頭筋、ハムスト、大殿筋)をある程度使う事になるので疲れ易くもなった気がします。
(この疲労の対処、付き合い方を今後のトレーニングで改善していくことになります)
さらに、急勾配対応などで腰をサドル前方にズラしてペダル荷重を増やす乗り方(**)をした時に引き足を含めて非常に回しやすくなった気がします。
(**)”前乗り”とかサドルがお尻に突き刺さっているように見えるため”三角木馬乗り”と呼んでいます
Fizik ANTARES VERSUSを選んだ理由
プロロゴの座面は緩やかな局面で構成されていて、座面幅が134mmと狭いタイプですが、腰を引いて座面の広い所に座骨を置き、そこからあまり動かさないで乗っている時は非常にシックリくるサドルでした。
しかし、ダンシングするほどではない急勾配(7~8%程度)に差し掛かって”前乗り”した際、プロロゴのサドルはパッドは先端まで入っているのですが、断面形状が丸いため、応力が一点に集中して刺激が強いため長時間続けることができませんでした。
(普通乗り⇒前乗り⇒ダンシング⇒普通乗り…の繰り返し)
坂道で腰の位置を動かすのは、体重を効果的に使ったり、使う筋肉を換えることで疲労を分散したりするためで、私は勾配や出力によって腰の位置をよく動かすタイプなので最も出力が出せる前乗り(三角木馬乗り)の乗り心地は大事なんです。
(急勾配に差し掛かっても腰の位置を全く変えない人もいますので、この辺は人によって異なります)
そこで新しいサドルに求める要件は以下となりました。
①腰を前後に動かしやすい形状⇒座面がフラットなタイプ
②”三角木馬乗り”をした時の乗り心地がいいモノ⇒先端もフラット
上記要件と値段的(一番大事!)要素を考慮して出した答えが”フィジーク アンタレス ヴァーサス”、という結論でした。
外観チェック
インプレッション
早速、このサドルを付けてテストライドしてきました。
場所は長野県の麦草峠(メルヘン街道 国道299号線)、ツールド八ヶ岳の舞台にもなっている本格的なヒルクライムコースです。
(コースの詳細はこちら)
正確に言うと今回試したコースはメルヘン街道にあるお土産屋さん”レストハウスふるさと”まではツールド八ヶ岳とは違うルート(松原湖、小海リエックス側)を取っています。何故なら今回の区間の方か急勾配区間(17%以上の急勾配あり)があるからです。
急勾配区間でサドル先端に乗り込む前乗り”三角木馬乗り”での乗り心地を確認しようと思いました。
麦草峠に移動する間の平坦路や緩斜面(3%程度)ではプロロゴ スクラッチと乗り心地は大差ありません。
パッドの量がスクラッチより少なく触った感じでは、硬いかな…?と予想していたのですが、ベースがよくしなっているのかも知れませんが乗り心地面では全く不満はありませんでした。
むしろ座面が広くなった分(アンタレスは幅144mmでスクラッチ+1cm)腰を引いてどっしり座った場合(サドル荷重が大きい軽負荷のぺダリング時)は荷重を分散しやすいのだと思われます。
坂道に入り勾配が強くなる(6~8%程度)と腰の移動が始まります。
まず、後ろから前への腰の移動はスクラッチもスムースに動けますが、アンタレスはフラットな座面のため腰の移動に関しては違和感なく行えます。
スクラッチはサドル幅が狭く全体的に曲面で構成されているのでホンのちょっと動いただけでも座骨が座面のスイートスポットから外れてしまいますが、アンタレスだと幅が広いのとスクラッチに比べるとフラットな形状の座面によりスイートスポットが広いため、少々動いても座骨をサドルに残せました。
また通常の位置であまり前傾を深くしない乗り方をしている限りはチャンネルはその存在は余り主張しません。
そもそも座骨がちゃんとサドルに乗っていれば尿道への刺激は強くないので当然かも知れません。
肝心の急勾配区間では…
結論から言うと、アンタレス ヴァーサスのフラットな先端形状&チャンネルの効果は絶大でした。
前乗りする際はチャンネルの間に尿道が収まるように気を使う必要がありますが、上手く収まると劇的に刺激が減ります。
よって前乗り時間を長く取れるので、上で書いた”普通乗り⇒前乗り⇒ダンシング⇒普通乗り…のサイクルを回す際、お尻が痛くなって、ダンシングに逃げる頻度を大幅に減らすことが出来ました。
今回ももちろんダンシングを使いましたが、ほぼパワーが足りない時だけのダンシングで済みました。
(ダンシングは一時的にパワーを出せますが、ぺダリング効率は悪いので多用すると結果的に遅くなるので出来るだけ使いたくないんです)
但し、チャンネルを適正な位置(凹み部分に尿道を納める)にセットできないと、逆にチャンネルが血流を疎外してしまうため、信号などで止まったとき、股間から荷重が抜けた際、一気に痺れるほどの痛みがでました。(泣)
そう言う意味ではチャンネルは諸刃の剣、とも言えますが、そんなリスクも理解した上で正しく使えば、かなり効果的なアイテムである、と言えると思います。
麦草峠から帰ってきてから”神奈川ランチライド会”の城ヶ島ツーリングに参加させて頂く機会があったので平坦路メインの約150kmのコースでもテストしてきました。
途中、神奈川ランチライド会のデスライダーと呼ばれる鉄砲玉(失礼!)のような方々の先頭を引く機会を頂きました。
デスライダーの前を走る訳ですから当然ゆっくりは走らせてもらえる訳はなく、全力でお仕事をさせて頂きました。
区間は国道134号線の渚橋から稲村ヶ崎までの間(約6.6km)で短い登りを含むハイスピードコースだったので、かすみがうらエンデューロ本番を想定して走ってみました。
信号前後以外の区間ではシッティング(前乗り含む)で深く前傾し、出来るだけ300Wを下回らないように走ったのですが、チャンネルが適正な位置にさえあれば、ヒルクライム同様刺激がマイルドになり前乗り時間を長く維持できるのが確認できました。
(神奈川ランチライド会の皆さん、ありがとうございました。またお世話になりますので、よろしくお願いしまーす!)
やっぱり、これいいですね~
フラット座面+チャンネルという組み合わせのアンタレスヴァーサスは今のところ私の希望をほぼ満足しているサドルだと思っています。
まとめ
溝付サドルというちょっと変わった座面を持つサドルですが、ヒルクライムや平地の全力走のような高負荷ぺダリングにおいてはその形状は十分機能していることが分かりました。
一方、ヒルクライムに使用する場合、乗り心地だけでなく重量が重要なファクターになると思います。
カーボンベース+カーボンレールだと150gを切るモデルもありますが、今回はナイロンベース+金属レールモデルを選びました。
実測211gと、カーボンサドルに対して約50gくらい重くなりますが、値段はカーボンの1/3程度なのでコストパフォーマンスという見方をすると十分お買い得なモデルと言えると思います。
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今回紹介した商品
ヴァーサス エヴォ アンタレス R3
上で紹介したモデルは既に販売を終了しておりますが、アンタレスヴァーサスは人気モデルなので新型が販売されています。
このモデルがこの記事のモデルに一番近いと思いますのでこちらを紹介しておきます
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FIZIK(フィジーク) VERSUS EVO ANTARES R3 (ヴァーサス エヴォ アンタレス R3)<ラージ> キウムレール for カメレオン サドル 0345550002 |
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