ヒルクライム佐久2018の振り返り2 レース編
ヒルクライム佐久2018の振り返り。後編はレース当日編のお話です。
前夜の大雨も朝方には止んで、路面は塗れていますが空は明るい状況。
つまり天気は予報通り晴れそうです。
晴れれば通常のウェア(半袖、半ズボン)でいくつもりでしたが、雨天の場合、初めてのコースで試走もしていないので何を着るか?は意外と大きな悩みでした。
が、とりあえずそれは解消。まずはよかった~
Contents
当日の作戦
当然、富士ヒルやヤビツ練で心がけているイーブンペース走法で走るつもりです。
富士ヒルではレース中の平均出力が3.1W/kgだったので、富士ヒルと同程度の仕上がりならば、最低限3.1は最後までキープできるハズ…
しかーし結局富士ヒルほど絞り込めず体重は富士ヒル+1kgでした。
という状況でしたが、とりあえずこれまで練習して来たんだから目標出力は変更せずに行くことにしました。
この戦略の懸念点=周りに流させないで我慢できるか?
先にも書きましたが、ここは試走もしていないので全くコース状況を知りません。
とは言え、丸腰でレースに出るほど度胸もないので、出場経験者のブログやグーグルストリートビューを使って出来る限り情報を集めました。
その結果、私なりに分析したこのコースの概要は…
まず、このコースの最大の難所は実はスタート直後に訪れる3km区間の平均勾配10%の激坂です。
スタート直後の激坂以降は7km地点までは緩い勾配が続き、7~19km区間は平均勾配に近い6%前後で安定します。
その後、19‐20km以降は再度10%の激坂があって、20km以降は6%程度の勾配区間でそのままゴール
というプロフィール(らしい)です。
とにかく、最初の激坂で体力を必要以上に削られた場合、残りの20kmはレースになりません。
(それは単なる苦しいだけのサイクリング…)
しかし、レースに出たことのある人はご存じだと思いますが、スタート直後って元気だから物凄いスピードで始まることが多いんです。
地力のある選手は自己ベストなんて狙っておらず、ライバル選手との順位だけを気にしていますから、相手を振り切るためとにかく相手を消耗させるような走りになります。
一方、我々のような自己ベストを狙う選手は他人を気にし始めたらペースが狂います。
つまりま恐らくもの凄い勢いで始まるスタート直後の波に乗らず、そこはグッと我慢して目標出力できっちり走り切ることができるか?否か?がポイントになる、と予想しました。
いよいよスタート!
心配していた雨は降らず気温もちょうどいい感じ。
開会式の行われた佐久合同庁舎からスタート地点に移動
ゲート前に到着順に自転車を置き自分のクラスのスタートを待ちます。
全体の中間より比較的前側の方に陣取りました。
女子、ジュニアとスタートした後、7:20に男子Dクラス、スタートしました
予想通り、スタート直後から皆さん飛び出します。
自分だけペースが違う走りになるので約100m先の10%勾配の坂に差し掛かる前に、出来だけ左側に寄るためちょっとだけ踏んで希望のラインに乗せたら後は周りを気にしないで自分の走りに集中します…
が、大勢の選手がスゴイ勢いで抜き去って行きます。パワーメーターを見るとナント 5W/kg!
無意識のうちに踏みすぎていたようで、
『このままでは自滅する!』
と我に返り、メーターを見ながら出力を絞ります。
するとまるで自分がバックしているんじゃないか?と錯覚するほどの勢いで更に抜かれています。
(30人以上は前に行ったと思います)
『こんな出力で絶対続く訳ない!』
と信じて、目標出力まで落とし、ほぼ一人旅の状態で走り続けました。
激坂を登りきった時、見えた光景
どんな坂も終わらない坂はありません。スタート直後の激坂だってたかだか10分弱の辛抱です。
そしてその10分弱の激坂を登り終えた時、見えた光景は…
産卵を終えたシャケですか?
激坂で力尽きてしまったのでしょうか?大勢の選手が集団に近い状態でゆっくり走っています。
ここからが勝負!、とあらかじめ想定していた地点とほぼ同じところです。
激坂を抜けた後は5km地点までは短い下りや平坦も含めて、約3%程度の坂が続きます。
この比較的緩やかな区間で見えている人たち(約20人くらいかな?)は全てパス。
残るは遥か彼方で既に小さな点になっている選手たち。
でも、この選手たちは恐らくスタートから猛烈な勢いで激坂を走り抜け、激坂区間が終わってもペースが落ちない、言わば地力が違う人たちです。
なのでほぼ追いつくことは不可能。
つまり5km地点でほぼレースの順位は決定したような感じになりました。
あと、できるのは万が一落ちてくる選手がいれば取りこぼさないようプレッシャーをかける事と、先に抜いた選手たちに再び抜かれないようにペースを維持することだです。
ここから約18kmの1人タイムトライアルが始まりました。
長~く、静か~な戦い!
7~19km区間は平均6%前後のスバルラインに似た勾配の林間コースが広がっている、ハズでした。
しかーし、実際には短いですが12%前後のキツイ勾配があちこちに潜んでいました。
まぁ、これをグーグルマップで事前に把握するのはムリでしょうね~
やはり試走は大事なんだよな…と痛感した区間でもあります。
とにかく目標出力と心拍数(170BPM以下)を維持することだけに集中します。
出力が足りない時はこのレースのために用意したリヤ32Tを使ってケイデンスを上げてリカバリしたり
心拍数が上がりそうな時はあえて重いギヤを踏んで、ケイデンスを下げて心拍数を落としたり、の繰り返し。
周りに選手がいない時が多かったので、自分の息づかいと自転車のチェーンの音しか聞こえない静かーな戦いです。
これを延々と続けているとやがてゴールである”蓼科仙境都市”が近づいてきました。
ゴ~ルはどこ?
ヒルクライム佐久のHPに記載されているコース図には(残念なことに)具体的な情報はほとんど乗っていません。
ゴールである”蓼科仙境都市”なんてちょっとググった程度じゃなんだか全く分かりません(どうやら別荘地らしいです)
だからゴールシーンが全く想像できないんです。
やられた~!
しかし、目標の建物に近づいてもゴールらしい雰囲気は全くありません
この時点でゴールのイメージが消えてなくなりました。
距離計をみると20.5km。あと2kmチョイ足りない…
ラストスパートなんだけど、既にボロボロ…出力も目標値を下回っています。
でもなんとかやり過ごし、登坂に入り、路面わきの残り200mの看板が目に入ったとき、背後に気配を感じました。(一人旅に慣れていたせいか全く後ろはノーケアでした)
ここまでも後からスタートした別クラス(若い世代)の選手達には結構抜かれていますが、同クラスの選手には抜かれずにきました。
しかし、あと200mで脇に並ばれた選手のゼッケンはまさかの同じクラスの緑色!!
この人に抜かれるわけにはイカーン!
と200m地点から残り100m地点まではサイドバイサイドで意地の張り合い
しかし、のこり100mを切ってもゴールは見えません
(並ばれた時点で並んだ人の方が早いんですけど、頑張ろうとする訳ですよ)
前方を見るとおそらく登りの最後にあるカーブは右カーブ
道の左側にいた私はアウトサイドになり、万事休す!
”ダメだこりゃ”
と思ったら力が抜けて、カーブの立ち上がりであっという間に抜き去られてしまいました。
キツイ登りで頑張らず、勾配が落ち着いたところで抜かれた選手の後ろに着くべく、カーブが終わりかけたところで踏み込もうとしたら、そこがゴールでした…
(最後の右カーブの内側の森のため係員が直前まで全く見えませんでした。100mって短いのね…)
という感じでレース終了~
ゴール後
係員の方に誘導された先は大きな広場でした。
そこでは豚汁、おにぎり、プラム、巨砲など、疲れたカラダに嬉しい食べ物が振舞われていました。
コースが狭いので富士ヒルのように車線規制して先に上った選手を対面通行で降ろすことはせず、全選手が昇り終わるまでここで待機しました。
実はメチャクチャ寒くて、これが一番つらかった…
(来年はちゃんとした防寒着を用意して出発前に荷物預かりに預けよう!と強く思いました)
まとめ
結果は年代別クラス(男子Dクラス)は18位/88名でした。
シングルフィニッシュを目指したのですが…力及ばす、残念でした。
でも富士ヒルしか出たことがなかったので全てが新鮮なレースで、富士ヒルに比べると規模は小さなレースですがコースのシビアさ難易度はスバルライン並み以上はあると思います。
決して簡単なコースではないのでドMクライマーの方でも十分満足して頂けるのではないか、と思います。
また前回の投稿にも書きましたが、参加者特典など地元方々のおもてなしも非常に満足でいい印象でした。
一言でいうと、とても厳しくも楽しいレースだった、と言う印象なので、ほぼ間違いなく来年もエントリーすると思います
これを読んで頂いてヒルクライム佐久に興味を持たれた方は来年是非会場でお会いしましょう。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました!
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コース図